東アジア文化都市2019豊島マンガ・アニメ部門スペシャル事業

マンガ・アニメ3.0

IMART2019年11月16日(土)
全セッションレポート(後編)IMART(第2日目・後編)

マンガのマーケティングが行く先 

登壇者
古川健介(けんすう)(アル株式会社 代表取締役社長)
中川元太(株式会社wwwaap 代表取締役社長)
三浦崇宏(The Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/Creative Director)
司会
菊池健

レポートセッション概要

 

 

 セッション「マンガのマーケティングが行く先」では、マンガ関連の注目のエージェント、マーケターが集い、マンガのマーケティングの現在・未来が語られた。

 まずは登壇者三名がそれぞれ、自身の関わったプロジェクトと、活動を通じた狙いを解説。商品やサービスを売るための「広告マンガ」は、SNSの普及以降、ビジネス面でもクリエイティブの面でもその可能性が大きく花開いた分野だ。中川氏はそのエージェントとしての仕事を紹介するとともに、そうした新時代の「SNSクリエイター」を、YouTuberのように憧れの職業として確立させたいと展望を語る。

 古川氏は、マンガはコンテンツとしてまだまだ訴求力があるとしたうえで、一冊15分かかるというスピード感が、インターネットのそれと一致しないことを指摘。また長期シリーズを通読するには、他メディアよりもずっと高額になるとも。そのため、入り口を低く設定できないかと、出版社の許諾を得たうえでマンガの「コマ」でコミュニケーションを取れるサービスを展開中だという。

古川健介(けんすう)氏

 

 三浦氏は、本物の才能は必ず発見されると力説。しかし「作る」と「伝える」を個人で両立するのは難しく、両者のタイムラグを短縮させることが、マーケティングの役割の一つだと語る。しかし日本のマンガ業界では、マーケティングは軽視されているという問題提起も。たとえばアメリカのグローバルコンテンツであれば、そのライツ事業部だけで数百人規模の会社ができ、徹底した検討が重ねられる。しかし日本の人気コンテンツではどうか。

 日本のマンガ業界には多くの才能が集まっている。だからこそ、それに見合うマーケティングの必要性が伝わるセッションとなった。

 

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【第1日目レポート 前編後編

 

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