東アジア文化都市2019豊島マンガ・アニメ部門スペシャル事業

マンガ・アニメ3.0

IMART2019年11月17日(日)
全セッションレポート(前編)IMART(第3日目・前編)

 東アジア文化都市2019豊島 マンガ・アニメ部門スペシャル事業のクロージング企画、マンガ・アニメの未来を作るフェスティバル「国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima(IMART)」が、2019年11月15日(金)〜17日(日)にかけて、豊島区役所本庁舎にて開催された。
 最終日となる11月17日(日)は、9つのセッションを実施。その全プログラムをレポートする。

(編集部)

タイムテーブル(第3日目)

10:00-12:00
13:00-15:00
15:30-17:30

漫画家を取り巻く環境が激動する中、
教育は何を目指すか?

登壇者
カメントツ(マンガ家、京都精華大学特別就任講師)
鴨志田由貴(京都造形芸術大学 マンガ学科学科長 准教授)
よしまさこ(漫画家・東京工芸大学芸術学部マンガ学科教授)
司会
菊池健

レポートセッション概要

左から、鴨志田由貴氏、よしまさこ氏、カメントツ氏

 

 セッション「漫画家を取り巻く環境が激動する中、教育は何を目指すか?」では、大学でマンガ教育に関わるゲストが登壇。学生に具体的なスキルを教えることだけでなく、イラストレーターやキャラクターデザイナーなどの仕事のほうが向いていると感じれば、ジャンルを横断する手助けをするなど、柔軟な取り組みが紹介された。

 もともとマンガを学んでプロデビューできる学生は、多くとも2割程度。そのため各大学ではマンガ教育だけではなく就職活動にも力を注いでいるという。文学部を卒業したすべての学生が作家になるわけではないように、マンガ学科で得た教養やスキルを社会でどのように活かすのかを考えなければならないと課題が語られた。

 

左から、よしまさこ氏、鴨志田由貴氏、カメントツ氏、菊池健氏

 

 ディスカッションではマンガ家になりたい子どもが減少しているとの指摘も。教育機関としてマンガの魅力を伝える重要性が説かれた一方で、絵を描く職業=マンガ家という時代ではなくなった証でもあり、それだけマンガ文化が身近な存在になったのではないかというコメントも出た。学生や教育について、さらにはマンガ業界の未来など、幅広いテーマで意見交換が行われたセッションとなった。

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